昔から東京駅といえば赤レンガというイメージですが、ある頃までは、実は建設当初は3階建てのドームの立派な、現在(今回の修復前)とは全く違う姿だったというのは知りませんでした。昔の写真を見てあまりの威容の違いに驚いたのをよく覚えています。
消失した3階部分を撤去して、仮の復旧のままで60年以上そのままで使用された建物。天井裏を調べると本当に資材不足の時の応急的な継ぎ接ぎの材木も使用されていたようです。
中央停車場として計画され、大正期に完成した東京駅は、当時は原野であった丸の内側に作られました。当然出入口は丸の内側のみ。駅から正面まっすぐに見えるのが皇居。一般の乗降用の出入口は北側と南側のみ。中央は皇室専用でした。
日本の象徴としての建物でもあったわけです。
ついぞ3階建ての往時の姿の復活なんて夢のまた夢だろうと思っていましたから、今、こうしてたくさんの見物の人達とライトアップされた東京駅を見上げていると実に感慨深い思いがします。