亀戸のカメリアホールにて、トム・プロジェクトの舞台、「かもめ来るころ」を観ました。
東京では2日間での3回の公演のみ。再演ということなのですが、脚本家のふたくちつよし氏のコメントでは、今回ほど再演に当たっての意識が変わった作品はないとの事。
ストーリーは実話。海を埋め立て、火力発電所が建設される計画をしった主人公が、この海をめざして飛んでくる鳥の事を考え、そして長い時間をかけてつくられた自然を、こんな短期間に勝手に壊していいものかと、高度成長時代の「良識派」に敢然と立ち向かった話です。
高橋長英さん演じる、主人公の松下竜一氏は40年前に、少数の仲間とともに環境権を守るために闘い続けてきたとの事。
弁護士もたてずに、電力会社、自治体、国を相手にしての裁判。
壮絶な闘いを続けながらも、お芝居自体は斉藤とも子さん演じる、竜一氏の妻・洋子さんとの夫婦愛が、芝居全体を暖かいものにして、静かな感動を生んでいます。