私が、会社に入った頃、修理を依頼する業者さんは複数あったのですが、難しそうな修理はいつも老舗のある修理工場と決まっていました。
又、バッテリーの交換なども必ず決まった業者さんにお願いしていました。
その頃は私は聞かされていなかったのですが、実はその二人の社長さんは、祖父の大変仲の良い友人だったということを後になって聞きました。
商売をはじめる頃、これからは自動車輸送だということで、運送会社を始めると祖父が言い、それなら俺は修理をやる、それなら俺は電装だとそれぞれ商売をはじめた仲間同士だったのです。
それなら、その人達をもっと話をしたかった、聞きたいこともあったと思うのですが、今ではそれはかないません。
私が引き継いだ後、そのへんのことを教えてくれたのが、義理の叔父です。
先代の妹と結婚した人ですが、結構前の挨拶で一度だけ会った時のことを話してくれました。一度倒れたあとなので、体が不自由そうだったようですが、非常にざっくばらんな人柄で、その時の様子を語ってくれました。
当時、車の運転をすること自体がまだめずらしく、それなりの技術がないとできないことで、例えば修理にしてもある程度、自分でできるようでなければ運転できない、冬になれば不凍液などない当時、毎日冷却水を抜かなければならなかった、など聞いて初めてなるほどと思うことばかりです。