幼稚園の頃、子供向けのレコード集が、月に一枚ずつ送られて来て(配られてくる?)、その最初のシリーズが行進曲集で、最初のそれにはまっていました。
家に帰るとたいていそれを聴いていました。
2枚組の1枚目の最初はおもちゃの兵隊やアメリカンパトロールなどで、2枚目になってくると、トルコ行進曲やラデッキー行進曲などが入っています。
すこし編曲されていて、最初は静かに始まって、途中が最大音量。その後だんだん小さくなっていくという、目の前を楽隊が行進していくようなイメージで演奏されたものでした。
なかでもいちばんのお気に入りが、「トルコ巡邏兵」(ミヒャエリス)。
一番音量が大きくなるところが大好きで、そこだけ息をつく様に「ドン!ドコドンドコドンドコドー」となるまでに、だんだんジリジリとスピーカーに近寄っていって、ついにはスピーカーに耳を当てて聴いているのです。
その曲が終わると、次はベートーヴェンのトルコ行進曲。それが終わると、盤を裏返して、ラデッキー行進曲。そして次が旧友(カール・タイケ)。
この旧友も大好きなのですが、スピーカーに近寄ったままで聴いていて、曲がトリオのところに入ると、優しい旋律にだんだんうっとりとしてきて、そのまま眠ってしまうという、いつものパターンなのでした。
よく父親から尋ねられたり、起こされたりしましたが、当時の事ゆえ、はっきり説明できないので、いつも不思議そうな顔をされていたという話。
ところで記憶が間違いなければ、演奏は日本フィル。つまりは以前の日フィルということになりますが、管弦楽の行進曲なので、ゆるやかなところの弦の音で、よけいに眠くなったのでしょう。