先週の東京フィルの定期演奏会。
指揮は昨年に都合により来日ができなくなった南米出身のクリスチャン・バスケス。ドゥダメルのいわば後輩にも当たる人です。24歳のときにフランスでデビュー、現在は北欧のオーケストラで活躍中です。
冒頭の曲はブエノスアイレス出身の作曲家、アルベルト・ヒナステラのバレエ組曲「エスタンシア」。エスタンシアとは農場という意味です。ヒナステラ初期の民族的テーマにもとづく作品で、4つの曲からなりますが、2曲め以外は終始、激しいリズム感のある勇ましい曲です。
バレエは農場に来た一見ひ弱そうに見えた青年が、周囲の屈強な男たちに引けをとらない活躍をして土地の娘の心を捉えるという筋書きだそうで、独特のリズム感あふれる指揮で、オーケストラをエネルギッシュに盛り上げていました。
次はメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲。バイオリンは堀米ゆず子さん。
後半はベルリオーズの幻想交響曲。印象的なのは第三楽章。相当ゆっくりとしたテンポで後半は緊張感が高まります。
ベネズエラのエル・システマと呼ばれる音楽教育の環境下、とても広いレパートリーを持つ指揮者。世界に活躍を拡げています。