指揮のアンドレア・バッティストーニ氏は、昨年初めの、来日できなくなった指揮者の代演が初めてで、その時は手旗信号みたいと、表現しました。
今回は、たまたま席が、2階の横の前に近いところだったので、指揮者の表情がよくわかりました。
真上から振り下ろすかと思うと、すでに真横を向いて、といった体の動きだけでなく、表情もそうとうなアクションです。
若い首席客演指揮者に対する期待が、ステージからも客席からもよく伝わります。
会場全体の空気が、なんだか歌舞伎か何かの雰囲気に似て、粋な感じです。
ただ、動作などではなく、バッティストーニ氏は、曲の解釈もかなり独自な考えを持っていて、そのあたりも期待されるところのようです。
ところで開演前に、会場に入ってすぐに、ステージ上の大きな鐘に見入ってしまいました。
当然、思うのは「どのくらいの重さなんだろう。」
ムソルグスキー(ラヴェル編)・組曲「展覧会の絵」終楽章では、その鐘にどうしても目が行きます。打つのは普通でも、音を止めるところがまた興味深い。
最後の最後は思い切り、上半身全体で大きく抱きかかえて音を止めてました。
重さ気にしているどころではないです。