昨日、彩の国シネマスタジオで観た映画。
優秀映画鑑賞推進事業として上映している映画で、2日間で4本を上映していました。
タイトルは「張込み」の他、「悪い奴ほどよく眠る」、「黒い画集 あるサラリーマンの証言」、「白い巨塔」。
それでもなぜ「張込み」?
この作品は、冒頭、夜の横浜駅のシーンから始まります。
発車ベルが鳴り響くホーム。
刑事が、ゆっくり走り始めた、満員の九州行の夜行急行のデッキに飛び乗り、そこから延々、九州までを描写します。
満員で通路に座り込んで夜をあかし、翌朝京都でようやく座席に。夏の炎天下の(当たり前ですがクーラーはないですよ)車内。
そして夜にようやく佐賀に到着するまで。
そこでようやくタイトルが現れます。ここまで実に12分間。
実は答えが、このシーンが目的。
今となってはとても貴重な、当時の様子がわかる映像なのです。
この映画の事をだいぶ以前に、作家の関川夏央氏の講演で聞いて、いずれ機会があればと、頭の隅においていたのですが、たまたま広報誌を見た時に、「ん?確か・・」と引っかかりました。
つまり私も映画タイトルで「張り込んで」いたというわけ。
古い映画をときどきDVDなどを借りて観ますが、やはり映画館で観られるというのはいいですね。黒澤作品もほとんどはリアルタイムでは観る機会がなかったわけですから。