今回は再度純粋に全体的なストーリーを楽しみましたが、実は最初に観た時には、鉄道に関する描写につい注意が行きがちでした。
まず冒頭に「軽便」の機関車・貨車が登場したのに「おおっ」となりました。
そして主に幹線を走る列車の「等級」。今のグリーン車となる前の3等級の区分があった時代。赤帯の三等、青帯の二等(白帯は一等)で、最初の頃の主人公の立場と、その後の変化を表しています。
そして震災が起きて、列車が急停車するシーンでは、今では見られない連結器の動きの描写がひときわ目立ちます。ちなみに、この2年後にほぼ全国一斉に連結器が交換されました。
一番微笑ましかったのは、休養に避暑地に出かけるシーン。列車がレンガの橋を渡っていきますが、これは碓氷峠が電化されて最初に活躍したドイツの電気機関車。碓氷峠専用の機関車ですから避暑地は軽井沢となりますね。
航空機の構造、部品についてはわかりません。翼の張力とでもいうのか、構造的な表現がされていますが、わかるひとにはわかるのでしょう。
タバコを吸うシーンが多すぎるとの指摘がある団体からあったようですが、そもそも零戦を取り上げることに身内からも異がとなえられたとか。
何か事実を置いておいて、影響の懸念ばかりが優先されてしまう風潮には正直辟易するところがあります。長編は最後になるようですが、いい映画が世に出てよかったですね。