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2013年5月7日Daily Archives

野球選手

「西鉄」ライオンズファンの私も、少年時代は、あの環境下、東京巨人軍が勝つものだと思っていました。

あの環境下とは、親がそう。学校の周囲の友人も当然そう。親戚のおじさんは巨人が負けると不機嫌になる・・。ラジオもテレビも当然のごとく巨人戦中継・・・。そもそも毎日見ていた新聞も・・・・。

その頃、たしか9連覇の前年、V8の時に地元のデパートでサイン会が開かれ、日替わりで選手のサイン会が。

他の選手が、ほぼ無言で黙々とサインし続けていたのに対し、長島選手だけは終始笑顔で、何かしら周囲の人たちに声をかけていました。中学か高校生位の女の子のグループが、声をあげればすかさず反応するというふうに。

会場は超満員で、サインを貰える人も当然たちまち締め切り、ロープで仕切られました。そのような中、突然幼児が飛び出してきて、既製の色紙をもって「サイン頂戴」と言ったのです。おそらくはその母親の確信的な誘導だと思いますが。

ここで、少々誤解を恐れずに言えば、当時は今よりも偽善的雰囲気は少なく、結構子供へもきびしい様相があったように思われます。

当然、その場はかなり険悪な様子になり、係員が飛び出してきて「困ります、困ります!」と、その幼児をとめにかかりました。

そこへ長島選手がすかさず、「ああ、ああ、してやる、してやる!」と言って、係員を制止し、すると後ろからその幼児の母親が出てきて、幼児を抱き上げ、サインと握手をしてもらったのです。

私も含め、見ているだけの子供たちの嫉妬の目はたくさんあったでしょうが、その時の長島選手の笑顔と、その場がぱっと明るい雰囲気になった事が、強烈な記憶として今に残っているのです。

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