この展示は特撮美術の成田亨氏およびデザインの造形を担当した高山良策氏の作品が中心です。
特撮で撮影に時間がかかること、それに人気もあいまって撮影現場が逼迫し、ある程度の回数で打ち切られたということは初めて聞きました。
特にウルトラセブンなどでは、ストーリーが結構深いものであるということは昔からよく言われてきました。
忘れていることも多く、海底に住む人間よりも古い生物に関して、どちらが本当の地球人なのかと疑問を呈すストーリーも、今から考えればとても興味深いですね。
撮影はできないので説明が難しいのですが、当時の作品とは別に展示されていた作品、「Realistic Virtuality (Flying Giant)/伊藤隆介氏」はなかなか面白かったです。
一つの部屋が暗くなっていて、プロジェクターのように大きくウルトラマンが空を飛んでいる光景。手前に雲に少々隠れながら、青空と雲を切って飛んでいます。
これは台の上に置いてある小さい、空を描いた円筒がぐるぐる回っていて、綿かなにかも別にくるくる回っている様子を、超小型カメラで撮影しているものがそのまま投射されています。えっ、ウルトラマンはどこ? と最初はわからないくらい小さいウルトラマンが間にセットされていました。
目とカラータイマーの白い光は、LEDの白い光をグラスファイバーでそのままウルトラマンのミニチュアに伝導したもの。
これだけの小さくて、割合簡素というか今では超アナログな仕掛けなのに投射されている映像はとてもそうは見えないので驚きました。
現在のCGがあたりまえの撮影現場と、このウルトラマン時代の当時の手作りの撮影現場。その間に象徴的な展示でした。