だいぶ遅くなりましたが、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を観ました。
まずはメリル・ストリープの演技はすごいです。
私はサッチャーという人がどういう経歴の人だったかを知りませんでしたが、議会での様子の映像は非常に印象的で、相手から批判されてもまったく動ぜずに「あなたにいったい何ができるの?」。後年、夫から「君の惨めな姿を見たくない」と言われて引退を決意したという新聞記事も強く印象に残っています。
サッチャーとエリザベス一世を比較というか、取り上げるケースは多いです。
以前のケイト・ブランシェットの映画エリザベスの中で、エリザベスが議会のなかで、批判した相手を逆にやり込めるシーン。このシーンこそ、これはサッチャーの議会でのシーンをイメージしたものではないかと思ったものです。
映画では、最近知られることになった認知症の症状をからめて、現在と過去が繰り返し出てくるめまぐるしいものですが、おもに夫に先立たれた寂しさや、周囲に疎まれての退陣の悲哀を濃くイメージして、現役の華々しさ、鉄の女といわれた姿との対比を出しているのでしょうが、現在の私にはそれよりも現実のサッチャーの生き方に関心が行きます。
フォークランド諸島の紛争は、当時衝撃的でした。でも現在の日本に突きつけられた問題として、この映画で描かれているサッチャーの決断は大変重いです。
「人命に代えてでも我が英国領土を守らなければならない。なぜなら、国際法が力の行使に打ち勝たなければならないからだ。」~マーガレット・サッチャーの名言 格言より