さいたま市の川合運輸株式会社です

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添乗指導二日目

昨日に引き続き、本日も添乗です。
乗務員さんはより経験年数の長い超ベテランです。長年、この乗務員さんのタコグラフチャート(走行時の速度などが記録されたグラフ)を見ていますが、非常に一定の速度を保って運転しているのが特徴の人です。
車間距離や危険予知意識とも問題なし。
さて、いかに安定した運転ぶりでも、やはり油断は禁物です。一般的な傾向として中堅層の乗務員さんが過信からくる油断が原因の事故が起きる傾向があると言われています。

今回は、交差点などでの曲がり角を中心に、ミラーだけでなく、直接目視による確認を意識するようにとのアドバイスです。

写真は昨日のもの。成田空港の貨物地区とターミナルを結ぶ、徒歩用の長い地下通路。何度も通るところですが、いつも誰もいない時間帯。天井の低い通路を一人で延々と歩くのはいつも少々気味の悪いものです。

添乗指導

本日は早朝から成田空港へトラックに添乗です。
当社では、ほぼ毎日、成田空港周辺倉庫への納品、成田空港貨物地区からの貨物の引き取りの便を運行しています。ただし今日の目的は、空港ではなく、運転に関する添乗指導です。
当社では若手でも、経験年数は長い乗務員さんですから、特段大きな問題はありません。唯一、一箇所だけ危険予知に関する項目でアドバイスとなりました。前方の車両が、路地へ左折合図に合わせて、エンジンブレーキで原則まではいいのですが、曲がり始めたところでのアクセルを踏むタイミングが少々早いというもの。曲がり始めた前方の車両が、万が一途中で停止することもありえるからです。

さて、意外だったのは車内での会話。天文の事に興味あるそうで、以前であれば驚くような話が最近は次々に出てくるということから始まり、太陽活動の異変が天候に与える影響だとか、太陽フレアによってデータはどうなるとかの話題が続きました。結構高度な会話ですね。

途中、普段は渋滞しないところで突然、車が進まなくなりました。1時間以上止まったまま。やがてノロノロ進むようになり、やがて事故現場が。敷地内から国道に出たトラックと、軽乗用車の事故で、どうも状況はよくわかりませんが、トラックは自走不能の状況でした。とにかく安全第一。気をつけましょう。

実地研修の危険予知

ベテラン乗務員が一番印象深く語った、「危険予知」。
これは以前からテキストや最近では動画などでも訓練の教材などがありますが、今回は机上の研修ではなく、実地主体の研修です。

今回の研修では、通常の運転でアクセルを踏みながら、ある時点で急ブレーキを踏んで停止する場合の停止距離と、危険を予知した前提で、アクセルから足を離し、ブレーキに足を軽く載せた状態で、目標地点で急ブレーキを踏む場合の停止距離の違い。
この違いを実際に体感できるわけです。

特に危険を意識していなければ、通常はアクセルの踏みながら車は進みます。突然、何かが飛び出してきたとしたら、その時点でアクセルから足を離し、ブレーキペダルに載せ替え、踏み込んで初めてブレーキが効き始めます。

ここで、危険予知という事を意識していれば、例えば走行中に路地などが見えたら、その時点でアクセルから一旦足を離し、ブレーキペダルに載せた状態にします。
アクセルから足を話した時点で、ある程度エンジンブレーキがかかり、ペダルに載せた足を踏み込めばすぐにブレーキがかかるわけですから、意識していない時にくらべて、停止距離は短くなるわけです。

実際の研修では、交差点を模したコースで、前者の走行では交差点をオーバーし、後者の走行ではぎりぎち停止できたようです。講師の方いわく「もしここに子供さんが飛び出していたらどうなりますか?」!

話だけなら、それはそうだ、だけで終わりそうですが、やはり実車での体験というのは違います。聞いているこちらもこれは大事なことだと、早速、近く開催予定の安全教育ミーティングで、今回の乗務員さんに体験談を話してもらう時間を作ることにしました。

ベテラン乗務員さんの研修受講

先日、当社のベテラン乗務員さんが、外部の研修施設の安全に関する研修を受講しました。
今日は、受講した乗務員さんから、研修の内容や感想などを聞きました。
ほとんど丸一日に及ぶ研修ですから結構大変です。屋内の部屋での講習はせいぜい1時間程度で、あとはみっちり屋外で、実車を使用したさまざまな研修だったようです。

たくさんの経験を積んだ乗務員さんですから、逆にそういう立場から印象に残った点などを中心に聞きましたが、やはり内容は基本的とも言える事です。

第一に点検。オイルや水は当然のこととして、油断ならないのがホイールなどのナットの緩み。昔と違い、ほとんど機械で締める作業になっていますから、緩みに遭遇することはまずない。ところがその事が「緩みの想定」をなくしてしまうのです。点検ハンマーによる音で万が一の問題を見逃してはならないのです。

次に後退時の運転。これについては講師の人が、とにかく強調していたのが、バックをするまえにトラックのまわりを実際に1周して目視しなさいという事。これは「絶対」という事でした。以前に、今日は休日だからだれも周囲にいないだろうという安易な判断でバックをしたことで悲惨な事故が発生したことを例に上げ、何回も強調されたそうです。
実地の練習ですから、かなり狭いクランクのコースで、しかもトラックからは見えにくい低い障害物も置いてある部分をバックで進む練習を、「ゆっくり、安全確認しながら」と研修はすすんでいきました。

そして研修を受けた乗務員さんも、その話を聞くこちらも一番印象に残ったのが、危険予知という事でした。

昭和一桁 創業間近い時代

この写真も昔の社報の冊子に載った写真です。最近、おそらくはこの印刷に使用したと思われる台紙付きの写真が見つかりました。

場所は川越、旧市街に近いあたりです。左側に見える参門は川越夜戦で有名な東明寺です。
運転台にいるのが創業者の祖父・川合秀丸です。荷台に立っている前掛けの子供が先代の父・川合政一です。
先代の見かけの年齢からすると、まだ創業前の昭和7、8年と思われます。

ひときわ目を引く、バイクに乗っている人が、後の最初のお得意様になる、農機具などを製造販売する会社の社長さんです。
この会社の新製品の出荷を記念しての写真だったのではないでしょうか。

義理の叔父によれば、この社長さんと祖父が一緒にトラックに乗って、あちこちをまわり、製品を売って歩いたということなのです。
当時では、ある意味それが先端の販促活動だったと言えるのでしょう。

創業は昭和10年、中古のT型フォード1台とありますから、この写真の時期の後、運送業として発足したことになります。名前もお客さんの商品名にちなんで「日の出運輸」。
その後、お得意さんの工場の移転と同時に、会社も移転したのが、昭和15年。丁度、国鉄の全身である鉄道省の川越線の開通の年で、場所もその川越駅の近くでした。

47年前

約47年前の私です。
一緒に写っているのは当時の社員の人。

この人は運転免許を取得する前から在籍した人です。つまり助手として入社した人で、その後に免許をとってから運転するようになりました。
この助手という役割が、現在の常識ではわからないと思います。
昔はエンジンの始動ひとつにしても手間がかかり、荷物の積卸しが、今のようにフォークリフトなどはない時代ですから、助手という立場は必須だったのです。

それに運転手の立場からすれば、安全確認の役割もになっていますから、横に乗っていて居眠りでもしようものなら、わざとブレーキを踏まれて起こされたりという話もよく聞きました。

トラックは当然ボンネット型。おそらくバスのほうが先に今のスタイルになっていったのではないでしょうか。

この写真自体は、今回たまたま出てきたものですが、私にはなじみのある写真です。
元教師で文章好きな先代の父が、このころ早くも社内報を出していて、表紙になった写真なのです。

旧国鉄の貨物ヤード

興味のあるジャンルで自動的に録画されたビデオ。昔の貨物操車場の映像を話題にした内容でした。

ここ何年かで新三郷駅周辺にオープンした大規模なショッピングセンター。この広大な敷地が元鉄道貨車の基地だったということを知っている人は多いでしょう。
もちろん私も知ってはいましたが、国鉄の終焉と、無駄になってしまった貨物ヤードの象徴として覚えていただけでした。

番組では、この基地の役割、仕組み、施設を完成されるまでの各種の試験の様子を映像で解説していました。当時としてはコンピュータを使用した最先端の実験的施設でした。
各地方から到着した貨車を切り離しながら、自動で動かし、各行先別にポイントで貨車を振り分け、さらに方面ごとに到着駅の順番に自動で貨車を並べ替えて、また列車として出発していく・・・。
すごい設備なのですが、今から思うと、ここまでするなら、トラックのほうが各自、方面別に直接向かえばいいわけですから早いのです。
そのスピードの差で、この施設が稼働する頃にはほぼトラックが完全に優勢になったのはご承知の通り。

でも現在の宅配貨物や大規模ネットショップの流通施設で使用される自動仕訳の原型のような設備を作り出していた、当時の技術陣はやはりすごいと思います。

 

若い人の志望動機

県庁の方との話の最中、社員の平均年齢の話から、若い人の運転乗務員への就労の話題になりました。
運輸業界のなかでは、若い人を採用できないことは大変深刻な問題になっています。
景気が悪くなり、特にここ数年はひどいものですが、逆にその中でも採用したくても人が集まらないという状況は、年齢を問わず変わりません。

理由は様々でしょうが、昔の「同じ年齢でも他の業種に比較して賃金水準が高い」という図式が変わってきている事も大きいと思われます。景気悪化による運賃水準の低下、労働時間短縮の傾向から、以前のようにはいかないという事情があります。

それに輪をかけるのが中型免許制度の導入で、業界としては一部見直しを求めています。ただ、これは安全を考えての制度で、諸外国の実情と比較しての事でもあるので致し方ない面はあります。

私として印象に強く残っているのは、二十年位前までは面接時に、応募の理由を多くの若い人が「運転が好きだから」「車が好きだから」としていました。
そうなると最近の若い人が免許をとらない、免許があっても運転しない、運転したくない、あまり車に興味ない、という傾向も、大いに関係していると思うのです。

オイルと水

次世代の乗用車は、「あれっ!燃料電池車は?」という感じですが、それよりも電気自動車が現実的に。
それでも貨物輸送の用途には特殊な場合のをのぞけば、現状、ディーゼルエンジンが主流であるのはしばらく変わらないと思われます。こちらはディーゼルハイブリッドが実用化されるのではと思います。

ということは当面、内燃機関を使用し続けるわけです。
内燃機関であるエンジンの点検の基本は、オイルと水。

何十年も古い型のトラックを自家用で乗り続けた人が共通して言うのが「オイルと水だけは毎日見ましたね。」という言葉。

オイルは潤滑だけでなく、冷却の役目をしていて大事です。

車両の性能・信頼性は確実に向上したわけですが、反面、信頼性に過信しすぎてしまう危険もあります。
当社においても何十年という期間で見れば、水やオイルの問題で故障を発生させた事例はあります。
基本は大事です。

安全装置

大型トラックに、追突事故を回避する自動ブレーキを義務化するという報道がありました。
20トン超の大型トラックが対象で、2014年11月1日以降に生産される新型車から適用との事ですが、おそらく適用範囲は徐々に拡大されることと思います。

技術の進歩で確かに、さまざまな機器が開発され、メーカーが競って販売しているわけですが、どうしても価格が高価であることが導入を遅らせます。さまざまというのが曲者で、どれが決定版かという判断がユーザーサイドでは難しいのです。ある程度、絞れれば段階的にでも導入していこうという方法もあるのですが。
安全に関わる装置は出来るだけ、義務化が促進されることが望ましいです。対象車種が増えれば、必然的にコストが下がるわけで、当然、普及までの期間が短くなります。

もともと道路事情の悪かった日本でこのように車が普及したのは、道路整備という、ひとつの国策という側面(税収など)もあったはずです。これだけの密度の高い交通事情に、残念ながら交通マナーは運転者の年齢を問わず悪くなっているのが現状です。

環境対策であれだけの排ガス規制を行い、その規制をクリアする車種の開発に多額の費用がかかり、それが理由で車両の価格は跳ね上がっています。安全の問題についても、大きな事故が起きるたびに、その対策という形で進んでいくというのも順序がちがうのではとも思います。